文学に寄せて
タイミングを逃したけれど、ディランのノーベル文学賞受賞について少し考えたことを。
受賞直後は自分の友人界隈でもニュースが駆け巡りました。
この数年、受賞候補に挙がっているのは知っていたのであまり驚きはしなかったけれど、日本ではもう一人の近年の候補である人が受賞を逃し、自分が知る範囲では日本では悲喜交々な感じでした(アンチの友人はディランでとても喜んでいたけれど)。
一方、世界の各方面ではディランの受賞自体に賛否両論で、今でもコメントを出していないので、なにかと話題になっています。
自分としては、どちらの言い分もわからなくはないというのが正直な感想ではあるけれど、どちらかというと賛成ではある。
まさに文学の定義とは?に尽きる。
小説だけが文学?
過去の詩人の受賞者は?
詞をメロディーにのせて伝えている詩人では?
歌詞と詩の違いは?
他にもたくさんあるけれど、そういったことを一部の人たちに投げかけた意味でもこの受賞はとても意義のある受賞だと思っています。
でも、一番思うところは、ツアーマネージャーの「寝てます」発言含め、沈黙しているディランがなにより最高ってこと。
ちなみにディランの音楽は好きで聴くけれど、実は歌詞を気にしたことはあまりありません。英語が得意でもないし。
このツアーの音源を聴いてから、本当にファンになった。
初回特典の映像も無茶苦茶カッコいい。
Don't Worry Yoko
先日タワーレコードのクリアランスセールで見かけて、おもわず名前買いしたその名もYoko & the Oh No's。曲自体は2000年代以降のガレージバンドのような曲調がメインで、まだ曲にこれといったものはあまり感じられないけど、ところどころ光るものもあるといった感じです。
YOKO AND THE OH NO'S - "She Knows It" Live From Studio 10 on Vocalo
動画を観ると、この手のバンドでは大事な要素であるルックスはなかなかです。ボーカルがPlaceboのブライアンのように中性的で、ブライアンは意外と身体がゴツいのと比べると何を食べてるんだというぐらい細いので、より中性的。ドラムも女性のようで、その点もポイントが高いです。曲の完成度が上がってきたから、少しは名前が知れ渡るかも。
"ヨーコオノ"で検索していたら、こんなバンドも。
Oh No! Yoko - 90's Kids (Vic Show)
非常に楽しそう。2000年代以降のギターロック。嫌いじゃない。いや、好きだ。Yoko & The Oh No'sより曲調は好き。
タイトルも90's Kidsとか最高だなと思って、バンドについて調べてみると93年生まれぐらいのようで、だから90's Kidsなんだなと。そう考えると英語圏での"kids"は主に10代より前のイメージなんでしょうね。確かに10代は"teenager"って言葉があるし。自分の中では"kids"にその辺りの世代も含むイメージでいました。英語があまり得意でないので勉強になりました。
90年代にTeenagerを過ごした自分からすると2000年代以降の音って線引きしてしまうところがあって、今回のバンドもそのように表現したけど、今は2000年から16年も経ってるんだよなあ。一括りにしてるようではオジさんになってしまうなと思ったけど、リアルタイムに過ごすと緩やかにつながっていて、どの時代という括りが難しい。たぶん60年代から80年代も振り返ると音の違いや特徴を括れるけど、リアルタイムに経験していたら同じ感じを受けたんだろうな。当たり前のことなんだろうけど。歴史は後から振り返ることで作られるということなのでしょう。
最後に。
Yoko Ono : "Don't Worry Kyoko" [Live at the Toronto Rock and Roll Revival] [1969]
なにかとネタにされるこの曲ですが、この頃のドンウォリは僕は好きです。2014のグラスト映像がきっかけで、バックバンドも含めてネタにされていますが、Yo La Tengoですから!彼らの趣味からするときっとオノヨーコに対してリスペクトしてますからね!確かに2014グラストの歌に対してどう思っているかはありますが。ただ、僕はこの曲を聴くと元気がでます。心配しなくていいよ、まわりの目を気にせず自分の好きにやればいいんだよと背中を押されます。
Sound and Vision
David Bowieが亡くなった。
今も世界中で喪失感と伴にいろいろな言葉が綴られているだろう。
性懲りもなく僕も私的なボウイについてのあれこれを書き綴る。
出会いはは中学の終わりか高校初めぐらいの頃。ロックに目覚めてまもなくロックの名盤として、"The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars"を知った。でも、そのときはグラムロック、化粧ロック、ビジュアル系の祖という偏ったイメージで聴かずに距離を置いていたと思う。
そのまま高校のときに、映画「セブン」のエンディングでボウイの曲を聴いたのがボウイの曲を意識した初めてになる。でも、当時購入していた雑誌なんかではそんなに評価も高くなく、僕は過去の人として扱っていたと思う。
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大学に入ってバンドを始めるとドラマーがすごいロック史に詳しい奴でそいつの影響でボウイもきちんと聴くようになった。"The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars"も悪くはなかったけど、自分にぴったりだったのは"Low"。
そのドラマーの家で聴いた時に"Sound and Vision"が高校、予備校ぐらいの時に聴いていた確か渋谷陽一かなんかの番組のジングルで使われていたものだってことがわかって、俄然興味が湧いたのだ。この音は当時90年台も終わり00年代を迎えたぐらいの頃でも新鮮な音に聴こえた。
グランジ、パンク、USインディーの音楽遍歴だった僕はボウイをきちんと出会うのはこの通り、大学時代にそれこそダニー・ハザウェイなんかの黒人音楽と同じように過去の音楽を遡ったときになる。
そんな僕にとってリアルタイムなボウイの記憶は2004年の春になる。
その頃、僕はやっと社会に出ようとしている頃で、短いながらも友人と卒業旅行と称して香港へと旅行に行った。香港ではボウイのライブの直前だったらしく、HMVにはポスターが貼られ、ベスト盤が並んでいた。3枚組の限定UK盤で"Let's Dance"のRemixもついていることもあり、旅の記念にとベスト盤を購入したのだった。
"Space Oddity"から始まるこれまでのボウイの歴史。僕が中学、高校時代はグラムロックで括られることが一般的で避けていたことが悔やまれるぐらい素晴らしい曲が多かった。今ではグラムロックはひとつの要素であり、ベルリン三部作とかも同じぐらい評価されている雰囲気だが、僕が記憶する限り、当時は一般的にはグラムロックの色が強かったと思う(ちなみに今では僕もグラムロックを楽しめるようになっている)。
そんな中、友人との卒業旅行の後、僕が家を離れることもあり、今度は家族とラスベガスに行くことになった。その旅行には先のボウイのベストのCDを持っていった。そういしたら偶然にもラスベガスでもボウイのライブがまもなくあるらしくポスターがいたるところに貼ってあった。
香港でもラスベガスでもライブを観たわけではない。結局、一度も観ることが叶わなかった。ただ、ボウイの音楽を聴くと2004年の春、社会人になる直前を思い出すのだ。
最後にボウイといえばもうひとつ。
大手CDショップでは定期的に輸入盤三枚で一枚1000円みたいなセールがあるが、それを利用してボウイの名作を揃えようとした時期があった。
社会人になるとお金の余裕はあるが音楽を聴く時間が反比例となるものだが、そんな中、このアルバムは買ったにも関わらずろくに聴かなかったせいで、持っていないと思い1ヶ月で2枚買ってしまった。
後にも先にも持っているにもかかわらず同じアルバムを二枚買ったことは他にはない(無くしてしまい同じアルバムを買ったことはあるが)。